『夏の暁 / 初音ミク』を作った感想

日記・雑記

今日投稿した曲です。ぜひ聴いてください。そしてもしよかったら下記の感想文も読んでいってください。

感想文

最近、漠然と「夏が近づいているなー」と感じていました。それと同時に「今年の夏もサマーソングを量産できたらいいな」とも思っていました。夏。去年の夏休みの時期はマジで家に引きこもっていて、BBQや花火、海水浴場にすら行きませんでした。今年はどうなんだろう。

せっかくの夏なのに家に引きこもっていたので、その分、頭の中での「夏のイメージ」が膨張し爆発して、「夏をテーマにした曲を作らねば」という感情に感性が支配されていました。

そういう過去があったので、夏休みの時期になると「サマーソングを量産しなきゃ勿体ない!」っていう想いで頭は一杯になります。(もっと強い動機があるのですが、それは後述します)

そんな日々の中で、最近、森ではセミが鳴き始め、私は夏の風を感じ始め、軒下の風鈴も鳴いているのを横目に「なんか良いアイデア降ってこねぇかな」って呟きながら小石を蹴飛ばしたその瞬間、

「花に焦がれていた 君の言葉を口遊む」

という歌詞が浮かんできて、突然雷に打たれたかのように、膝から崩れ落ちた私。
隣を歩いていた知人が何か言ってきましたが、全く耳に入ってきません。ただ、「早くこの曲を完成させなければ…!」という気持ちで頭がいっぱいでした。

そういうわけで、帰宅してすぐメモを開き、速攻DAWで打ち込みを開始しました。

サウンドについて

夏っぽい雰囲気って「和風のテイスト」に重きが置かれている側面もあるのかなって思っているので、今回は日本っぽい音階を意識してメロディを考えようとしました。

とはいっても、私の手癖スケール自体が「ヨナ抜き+ニロ抜き」なので、放っておいても夏の雰囲気には近づくだろうという楽観ばかりが精神世界を占めていました。その思念の傀儡と化し、マジでやりたい放題に旋律を紡いでいってメロディを完成させました。(後述しますが、今回は転調した先のキーも意識してメロディを考えたので、正確には”やりたい放題”ではありませんでした。無秩序の中にも秩序はあるのです)

オケに関しては、超久し振りにピアノをメインに置いてアレンジを考えていきました。特に最近はピアノを裏方に回してばっかりの節があったので、勘を鈍らせないように、彼をメインとして輝かせたかったという想いが強かったです。

それに、私は「ピアノ=最強」という狂信的な期待をピアノに寄せている(実際、音域の観点で見ても潰しが効きやすいと思う)ので、その意向を汲んで、「ラッパやストリングス、エレキギターの音をひたすらに重ねる」という常套のゴリ押しは避け、「全身にピアノを行き渡らせてやんよ!」っていう気概でピアノまみれのアレンジを組みました。

よってこの曲は、「ドラム+ベース+ピアノ」という、かなりシンプルな構成でオケが構築されているのですが、音数自体は比較的多いので、「割と喧しい印象だ」って感じるヒトも存在すると想定します。しかしその印象もまた「気まぐれな夏の空」っぽくて、楽曲全体の雰囲気にマッチしているのでヨシ!って個人的に思いました。

ちなみにベースは「Trilian」という音源を使っています。いつもありがとう。

サビでは半音上に転調させました。そしたらめっちゃJ-POPらしい香りが漂ったので、それに寄せる形でアレンジを更に詰めていきました。

あと今回は「ラスサビで半音上に転調しよう!」っていうタスクが頭の中にポップアップしていたので、その通りに展開を組みました。
「ラスサビで上のキーに転調する」というのは定番中の定番の手法なのだけれど、私はそういう曲をほとんど作っておりませんでした。ただ、今は「ミクさんの声が綺麗に響く声域」を知っているので、それと照らし合わせ、逆算して展開を作ることができます。今回のこの経験を糧に、今後も「ラスサビで転調する曲」を量産できたらいいなと思います。

歌詞について

「花に焦がれていた 君の言葉を口遊む」
という歌詞が最初に浮かんでいて、これを楽曲の一番最後のフレーズに乗せるつもりだったので、この歌詞に向かって行くための歌詞を書くことが今回の敷かれたレールでした。

それと、オケはサマーソングのつもりで作ったので、世界観は夏に設定して言葉を紡いでいきました。

実は、歌詞のアイデアが先に浮かんだ曲は過去にも一つだけあって、それは『散花火』という曲です。その時は「夏焦がれて 宵闇散る花 瞳合わせ」という歌詞を初めに思いついたのです。

この『散花火』と今回の『夏の暁』、めちゃくちゃ世界観が似ているなって思ったので、私は『散花火』を参考して全体を厚塗りしてゆこうと息巻きました。今回の作詞物語ではそういった部分がデカイです。

あと「永遠だって霞むくらい」って歌詞をネギシャワーPはよく使うのですが、実際に、現実世界に混在する加賀というヒトもしばしば永遠、霞んでいます。その感覚を正確に言語化できるほど私は頭脳と表現力に富んでいるわけではない(もし平易に言語化できたなら、夢は小説家だったと思う)ので、詳しく書くことはしませんが、「めちゃくちゃ明るい光」と「めちゃくちゃ暗い影」がそれぞれ自分の背中へと強く射す瞬間っていうのが人生では何度かあって、その感覚を修飾するのに「永遠だって霞むくらい」と表現しています。

夏の季節はその”光”と”影”が、一年の中でも一番色濃く、それも同じタイミングで出現するという、ある種異様な空間が視界を占領するので、こういう時期には、その世界を”音楽”というカタチにして久遠のガラスの中に閉じ込めたい気持ちが溢れてやみません。だから夏にはサマーソングを量産したいのです。

余談ですが、この歌詞で少し引っかかったことは、「花に焦がれていた」の”花”って「花火」の意味で歌わせたつもりだったのですが、中盤の歌詞に出てくる「向日葵」のことだとも捉えられるし、むしろ向日葵を指しているって考える方が妥当だなって思いました。ただ正直、どっちで取っても意味は崩れないので、答えを固定するつもりはありません。重要なのはそこではありませんから。

いつも自分の歌詞について思うことは、「余白が多い」or「抽象が過ぎる」、この言葉の2点突破で押し通そうとして、途中で空中分解してしまって、結局は本質が四散した怪文書に成り果ててしまうというのが、あまりよろしくない手癖だなって感じがします。その点で言うと、今回の歌詞は幾分かマシでした。それはテーマを「夏」にしたおかげです。私は「夏には全てが詰まっている」とさえ感じてしまうくらい、その日々の中に”果てしない魔力“を感じています。「日光が溢れて爽やか」、あるいは「影が色濃く射す」、ただそれだけが夏ではない。私はこの絶対値、あるいは包容力の高さが、夏という季節の魅力の一つなんだと思いました。今回の曲を通して、そう思いました。

ミクさんの調声について

最近、ミクさんで掛け声を作ることに執心していたおかげで、普段のメロディの調声においても、ピッチカーブのアイデアがポンポンと湧き上がるようになりました。あのとき、新しいことに挑戦してみて本当に良かったと思いました(ここまで早く成果が現れるとは思いませんでしたが)。

ボカロの調声はマジで無限です。終わりが見えないので、自分でゴールテープを貼る必要がありますが、何も考えずに継続するだけではすぐ自身に限界が訪れてしまって、妥協点が一向に上がりません。

だから改めて思いました。何事も挑戦することが大切なのだということを。偉いヒトたちが口を酸っぱくしてこの言葉を繰り返していた意味がわかりました。今後もこのことを絶対に忘れないでおきたいです。

それと、今回のミクさんの調声で技術や知識の輪郭が掴めた感覚があるので、近いうちに私のボカロ調声法を皆さんにご紹介したいです。始めはTwitterでお伝えして感触を確かめます。そのあとこのブログでも詳しく記事に書き起こすつもりなので、もしその時が来たら拡散をお願いいたします。

イラスト、動画について

最近、「ペンタブ」というPCでお絵かきするときに使う機材を買って、実際に描いてみたのですが、マウスで描いたときよりも線がガタガタになってしまうので、もう少し慣れるまで訓練しようという気持ちになりました。

よって今回のイラストは手軽に描ける三頭身ミクさんを描きました。とはいっても、いつもやっているように、過去のミクさんの絵をトレースして描いただけですが。

動画はマジで何も思いつきませんでした。いや、思いついてはいたのだけれど、今の自分の力では表現するのは難しいと思ったので構想から外していました。
しかしこんな「宿題やったけど持ってくるのを忘れた」みたいな言い訳は誰も聞き入れてはくれません。

だから今一度アピールしておきたいのです。この動画は、現在私が持ってる全てのパワーで制作ということを。

ここ数ヶ月は、楽曲に関してはクオリティが安定してきた感覚がありますが、動画やイラストに関してはこの限りではありません。

ただ、今後はイラストレーターや動画クリエイターの方々に依頼することが増えると思うので、あまり深刻には考えておりません。餅は餅屋です。これを深く感じることができた点においては、お絵かきや動画制作をしていて良かったところだと思います。(もちろん、今後も趣味として続けていきたいです)

最後に

この曲を作った感想ですが、とても面白かったです。2021年最初の夏曲ということで、かなり良いスタートを切れたんじゃねぇかと自負します。

はい、以上です。本格的に夏が来る前にこの曲を公開できてよかった。
次は暑苦しいタイプのサマーソングを作りたいです。それではさよなら。

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