ボカロP、2021年上半期の活動を振り返る【作文】

日記・雑記

こんにちは、ボカロPです。
時は足早で、今年2021年も折り返し地点を超えました。

ただひたすらに目の前だけを見て突っ走っていた去年とは違い、今年の活動は事あるごとに内省を繰り返すようになりました。

その一環で、今年の上半期に投稿した曲のクロスフェード動画を作って先日Twitterに投稿しました。よかったら見ていってください。

以下、上半期の活動についての作文です。

1~4月の振り返り

この時期は「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」(公式サイト)というスマホリズムゲームの運営が主催する楽曲コンテストに応募するために、去年の終わりあたりからずっと応募用の曲を作っていました。

この楽曲コンテストに参加した動機は「ボカロPとしての活動を彩りたかったから」の一言に尽きます。

作曲は趣味として始めたものだけれど、物心ついたときから「何事も全力で取り組んだ方がより楽しめる」というテーマで人生を歩んできたもので、ボカロP活動に関しても例に漏れず、と言いたいところですが、本当は本気になりきれていませんでした

作曲に限らず、創作というのは技術や知識のベールをどれほど纏っていても、”自分”そのものが作品に透けて見えてしまうものだと思います。ましてや作っている本人としては、それが大きなノイズに感じてしまって仕方がないのです。
だから「本気で足掻いている自分」を他人に見られるのが恥ずかしい、ダサいと思ってしまっていて、一時期は「自分、そんな本気出してませんけど?」みたいな態度で作曲をやっておりました。

ただもちろん、そんなくだらない気持ちで曲を作っていても全然楽しくないし、それこそ「好きな事に本気を出さない」ことは私の人生のテーマと完全に相反していたので、とってもモヤモヤしながら過ごしていました。要は自尊心を飼い慣らせていなかったのです。

そんな時、プロセカの楽曲コンテストの募集要項が発表されました。私はこれ以上ないチャンスだと思いました。実は、物心つく前から「パラッパラッパー2」と「太鼓の達人」というリズムゲームで遊んでいた過去があって、なにかにつけて心の隣にはリズムゲームがあった人生だったので、同じリズムゲームであり、更に初音ミクさんも出演するこのプロセカの楽曲コンテストだと知ったときは「マジで俺がこのコンテストに参加しない世界線なんて存在しないじゃん!」と思ったほどでした。

そして「この楽曲コンテストに参加すれば絶対に今の活動がもっと楽しくなる」とも確信していたので、去年の終わりあたりから挑戦を続けていました。

そういう経緯があって、1~4月はコンテストに応募するための曲ばかりを作っていました。

当時は、プロセカに収録されている有名ボカロPの曲たちと聴き比べても、自分が作る曲は技術もセンスも圧倒的に足りていないことは痛いほどにわかっていました。ただ、私が尊敬する作曲家に「本気で100曲作ることができれば、最低でも1曲はクリティカルな曲が爆誕する」みたいなことを仰っている方がいたので、私はそれを信じて、とにかく全力を尽くして曲を量産することに注力していました。

あとこの時期は、作曲中に目を閉じて「今作っている曲がプロセカに収録されるとしたらどうだろう?」ということを妄想して、楽曲全体のイメージと”リズムゲーム“という特性を擦り合わせながら作っていました。

それくらい本気で作ってきたものだから、第1回、第2回とコンテストに落ちたときは、ビルの12階から落下したかのような衝撃と、想像を絶する悔しさにのたうちまわっていました。それと同時に「目指すべき頂上はまだまだ上にあったんだ…!」という嬉しさに打ち震えてもいました。

今考えると、ちょっとやばいくらいの自己陶酔に溺れていたとしか思えないですが、当時の気分は完全に物語の主人公でした。

そういう意識で曲を作っていたので「絶対にコンテストに採用されたい!」って思っていながら「この物語がいつまでも続けばいいのに…」とも思っていて、めっちゃアンビバレントな精神状態でした。もちろん、この時期はめちゃくちゃ楽しかったのですが、「ネギシャワーPに精神を持っていかれて、自分(加賀くん)の自我が消えて無くなるんじゃないか」という危機感もあって、かなりヒヤヒヤしていました。

そして4月、私とミクさんで作った曲『泡沫未来』の採用の連絡がきたとき、私は喜びに塗れて気絶しかけました。一日中、声も枯れるままに叫び散らし、ひとしきり狂喜乱舞したあと、永遠すら霞むくらいに、未来への希望が溢れる感覚に満ちました。

5、6月の振り返り

5月以降は「夢の先の景色」をぼんやりと眺めていました。それと同時に、ゆらゆらと「今、自分が出来ることは何なんだ?」と心に問いかけ続けていました。

作りたい曲がある!っていう気持ちは無限に湧くのだけれど、どういうわけか、それをこなした先には何も見えなかったのです。今は言えないけど、大きな目標はあって、それを叶えたいという情熱も灯しているつもりだったけど、それがいくらなんでも大きすぎてしまっていたから、今自分が立っている場所を見失いがちになってしまうのかなって気がしました。

今これを書いていて思ったのですが、「目の前の目標」と「ずっと先の大きな目標」の狭間に、もう一つ中間点となる目標を立てるべきだということに気が付きました。7月中には、その中間となる目標を立てることで今後の活動の方向性を固めていけたならと思います。

それと、5月、6月は本当に肩の力を抜いて曲を作れたことがとても印象的でした。特に『ネコ祭りにゃ!!』では久々にミクさんのお絵かきも再開して、過去に回収しきれなかったフラグを取りに戻ったかのような感覚で、ボカロ曲制作を楽しんでいました。

この時期で一番印象に残っていることは「KARENT」(公式サイト)で私とミクさんで作った曲たちのアルバムを配信できたことです。
「初音ミク」とその世界に心を救われてきた身だったので、大変おこがましい話ですが、「なにかひとつでも初音ミクに還元できたら」と常日頃思っていましたし、ボカロPとして、一度は自作の音源を販売してみたかったのです。
この機会を与えてくれたプロセカの担当の方々とクリプトンの担当の方々には本当に頭が上がりません。そして日頃ネギシャワーPの活動を支えてくれている皆さんにも感謝してもしきれません。
7月に入った今でも感謝の気持ちが募るばかりです。今後の活動を通して必ず想いに報いたいと強く、強く思います。

最後に

上半期は個人的に「ポップとミクさんと笑顔と絶望と情熱」に溢れた期間だったと思います。今まで生きてきた中で一番絶対値が高い人生の時間でした。今は本当にありがとう、そしてさようなら。

下半期では楽曲コンテストに参加していたときの気持ちを忘れず、早急に中間目標を立てて、そこに向かって駆け抜けていきたいと思います。

以上です。改めまして、いつも私とミクさんの曲を聴いてくれる人々、そして欠かさずこのブログを見てくれている人々にも、心からの感謝を!

下半期も何卒よろしくお願いします。

関連リンク▼
Negi Shower Party!! / 加賀(ネギシャワーP) | KARENT
世界最大規模のボカロ楽曲レーベル『KARENT』のNegi Shower Party!! / 加賀(ネギシャワーP)ページ

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