先日投稿した曲です。ぜひ視聴してください。そしてもしよかったら下記の感想文も読んでいってください。
感想文
「ネギシャワーP」という存在が、自分の中で大きくなってきた実感が溢れました。
それは中学生のとき「他人という鏡に映した自分を見て、自分を知る」ということを覚えたのと同様、最近ネットの人間たちがネギシャワーPを語っているのを見る機会が多かったので「なんだ、いるじゃん。この世界にネギシャワーPが」と思った次第です。
もちろん、人間ってグラデーションですから「ある一部分を切り取っただけ」ではそのヒトの存在の全てを理解したことにはなりません。
しかし、もし”その一部分“を沢山見ることができたなら、自分の中で無意識に描いていた点と点は線で繋がって、一つの人格が輪郭として現れるのです。
そういう流れがあって、せっかく認識できた存在なのだから「なんか邪魔だし、核融合炉にでも放り込むか」と思うだなんてありえないと思うのです。
「いいわけねえだろ!!!」と内なるニノも叫ぶのです。
よって今回は「私(ネギシャワーP)が今一番に作りたい曲はなにか?」というのを確かめることを目標にDAWを開きました。
サウンドについて
上記の方でなんかガヤガヤと書き連ねてしまいましたが、要は今回はEDM系のサウンドを作りたいという気分でした。ただそれだけです。
一口に”EDM”と言っても、今めっちゃジャンルが細分化されていて、私はこのことに関してはマジで無知蒙昧なのですが、ただその中でも「future bass」と「4つ打ちEDM」の2つだけは概念も作り方も知っていたので、今回はそれらのサウンドをイメージしながら作り始めました。
まず最初はピアノでメロディとハーモニーを打ち込みました。基本的にEDMはコードループで完結することが多いので一瞬で打ち込み終わります。
次は”massive”というシンセサイザーをめっちゃ(26個くらい)立ち上げて、音を作り、それら全てを重ねていきました。
高速アルペジオだったり、和音をベタ打ちしただけのヤツだったり、ライザーだったり、ホワイトノイズだったり、これら魑魅魍魎を全てダッキング(ウワウワした音にすること)させれば、割とEDMっぽいサウンドに近づきます。
そしてダッキングさせるためにはリズムを決めなければいけません。今回のサビは「4つ打ちのリズム」に決めていました。その理由は「わかりやすくポップなリズムは、最高に初音ミクに合う」と感じているからです。
それに対し、サビ以外のパートではハーフテンポのぴょんぴょんした、future bass風のリズムにしました。
とかくEDMにおいては「リズムに関しては、なんでもあり」という割とアナーキーとも取れる自分勝手が押し通せる空気があるので、作曲していてマジで楽しいです!
次に、ピアノをダッキングしたサウンドも取り入れました。これは昔『残響の花』や『ヴァルハラビリティ』を作った時と同じ発想で「シンセの上にピアノの音を重ねれば、オケの厚みと広がりがヤバイくらい増す」ということに味を占めていたからです。そして今回は特にピアノとシンセたちが仲良く手を繋ぐくらいのバランス、言うなれば幼馴染くらいの距離感で音の強さを決めました。
ここまで作った時点で「パーティはまだまだ終わらないぜ!」みたいな雰囲気が生まれ始めていたので、それになぞらえて「楽しい世界観、展開」を意識して2番以降もアレンジを組んでいきました。
2番では少しだけボーカルにオートチューンをかけたりもしました。「逆にこういうエレクトロポップではオートチューンをかけない理由はない」と思ったので、今回はちょっとしたギミックとして使ってみました。
歌詞について
オケがかなりキラキラしたサウンドになったので、歌詞はそういう雰囲気を強調するものが良いなって思っていました。
そして「パーティは終わらないぜ!」っていうテーマで歌詞を作ろうと決めました。
(「いつから始まってたんだ」って思うヒトもいるかもしれませんが、私は2020年の終わりくらいには始まっていました)
あと久々に「ミクさん視点」で歌詞を考えました!
やはりボカロPは「ボカロキャラに言ってほしいこと」を歌わせられるので、そういった作曲の側面もめっちゃ魅力的だなって思いました。
みんなも買いましょう、ボカロを!
ミクさんの調声について
今回のようなEDMを作るときは「ミクさんのかわいい掛け声を絶対に入れるべき」という頭をお持ちなので、『ネコ祭りにゃ!!』と『噤み』に続いて「メロディの無い調声をする」という挑戦を今回もやりました。
ただやっぱり、めっちゃ時間がかかりました。「正解は旋律の中には存在しない」という点で、かなり手こずるだろうという覚悟は出来ていたつもりでしたが、調声中はマジで苦しかったです。曲が完成する最後の最後まで修正を繰り返していました。
サビの「いっくよー!」という掛け声は、昔投稿した「ネギプリンあ・ら・も~ど!」っていう曲で作ったやつを持ってきました。
余談ですが、先日、ボカロPのきさらさん(Twitterリンク)が投稿した初音ミクの実況動画を拝見して、「私もミクさんで実況動画を作ってみようかな」と一瞬思ったのですが、調声における(ましてやボカロに喋らせるという)作業量のヤバさは、今回の制作を通して容易に想像できたし、絶対に想像以上だろうなって思ったので、今は掛け声を作ることだけに留めておきたいです。
また、きさらさんの最新の動画で、私とミクさんで作った『泡沫未来』をプレイしていただいております。まだ見ていないヒトは是非見てください!↓
イラストについて
いつもやっているように「三頭身ミクさんがy軸回転するだけ」っていう動画を作ろうとしたのですが、作曲中は「パーティクラッカーを持っている笑顔のミクさんのイラスト」が頭の中にずっと渦巻いていたので、「これを具現化せねば」という衝動にかられ、新しく絵を描くことにしました。
お絵かきをするときはいつだって、深淵の殻の中に閉じ込められたような息苦しさを感じているのだけれど、今回は幾分かマシでした。お絵かき中はマジで顔面も内面も虚無で満たされていて、ほとんど気絶しながら描いていたので、途方もない疲労感というのはいつもより薄めでした。
そして出来上がったイラストは、クオリティはどうあれ、必ず公開することにしています。何故なら「公に発表した方が絵が上手くなるから」です。
どういう理屈で絵が上手くなるのかわからないのだけれど、自分の手元から離れたモノは冷静に俯瞰することができるから、内省の効果が上がるんじゃないかなって感じます。
この事象を正確に言語化して説明できるほど私は賢くないので、「人前に発表することで得られるパワー」、これを「魔法」と呼んで、よくわからないまま”それ”を振りかざして生きてしまっています。ただ、原始人が科学を知らずに火を扱えたように、私もそれに倣っているような感覚です。
もちろん、言語化できるに越したことはないので、もし考えをまとめられた際にはSNSとかでみんなに吹聴して回りたいです。
あと、お絵かきはずっとマウスで描いているのだけど、このことをイラストレーターの友達に言ったら「ありえない!」みたいな反応をされて、逆にこっちが動揺してしまいました…。
ただ、今冷静に考えてみれば私の方がおかしいことはわかります。作曲に置き換えて考えるのなら「midiキーボードを使わずにマウスで一つ一つノートを打ち込んでいく」のと同じ状況だと思います。もちろん、midiキーボードを使っても、マウスだけで作っても、出来上がる曲の完成度は全く変わらないのだろうけど、マウスだけだと時間がひたすらにかかってしまってしょうがないでしょう。midiキーボードで慣れている身としては、「マウスだけで作曲するのはめっちゃ面倒くさそ~」って思います。
つまり、時間効率の点で見れば、機材をちゃんと揃える方が、それこそ効率的に成長できるはずです。事実、私もmidiキーボードを使っているおかげで、短いスパンで楽曲を量産できて、劇的に成長を感じることができたのですから。
作曲に関しては、当初から機材やソフトウェアには最低限の金はかけていたのだけれど、何故だかお絵かきに関しては「なんだっていいや」って思って最低限の機材すら整えていませんでした。今はこの意識の低さを心から恥じています。
そういうわけで、今日「ペンタブ」というイラスト制作に使う機械をAmazonでポチりました。今後、自分でイラストをこさえなければいけない時には、このペンタブという機材を使ってお絵描きしようと思います。
最後に
この曲を作った感想ですが、めっちゃ楽しかったです。作曲って基本的に孤独な作業なのですが、これを作っている最中はみんなでパーティを楽しんでいる感覚に浸れました。
ひとつ、全体的な反省点として、「シンセの音作りが甘い」というのが大きいです。やはり他の方のEDM曲と聴き比べてみても、シンセの魅力が足りない気がしました(特にリードシンセ)。
この曲はアレンジとミックス、それとミクさんの歌唱力でゴリ押しした感が否めません。
原因を述べるとするなら、一番は勉強不足にあると思います。特にEDMの作曲に関してはまだ模倣の域を超えていないので、引き続き鍛錬を重ねていきたいです。
ただ、それでもこの『ぱりねば!』は十分に魅力があると思うので、事あるごとにこの曲をプロモーションしていきます!
はい、以上です。今後ともどうぞよろしくです。
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