今日YouTubeに公開しました!ぜひお聴きください。
そして今回も作曲の感想文を書いたので、よかったら読んでいってください。
感想文
子供のころよく聴いていたボカロ曲はもう作者諸共消えてしまっているものもいくつかあるのですが、そういう過去に憧れた存在と音楽に向き合うことのできなくなった記憶でも、自分なりに新しいボカロ曲として再生成してみれば胸がすく思いになれる気がしたので、そのアイデアをモチーフとして打ち込み始めました。
サウンドについて
今回はうっすらとリンさんとレンさんの歌声がアイデアの始まりにあったので、去年公開したミクさんリンさんレンさんの曲『透明ロック』を参考にしながらテーマを考えました。
『透明ロック』では、鍵をかける「ロック(lock)」と音楽ジャンルの「ロック(rock)」の意味合いを意識していたはずなので、今回もその2つの意味が通るような言葉を探し、「思考ロック」という概念を知り、タイトルをもじって『至高ロック』にしました。
こちらがデモ音源です。
サビの後にdrop的な間奏を展開したかったのでエレクトロ系のドラムやエフェクトを取り入れました。ただ、思い描いていたテンポがサビとはズレているように感じたので、曲中でBPM230→260(130)に向かっていくように調整しました。
この楽曲はプロセカULTIMATEに応募するつもりだったので、使ったことのないリズムの組み合わせを試したいと思い、3連符と5連符のクロスリズムも詰め込みました。そこまではよかったのですが、デモ動画のタイトルにある通り、去年12月の時点でデモ音源を制作して以降、他のイントロやAメロ辺りの展開が全く思いつけず、2025年も早一ヶ月以上過ぎ、楽曲ごとボツになりかけていました。ただ、自分の中でサウンドクオリティのハードルを分不相応に上げてしまっているのがおおよその原因だと気づいたので、そのあとは気楽に制作できました。
あと曲中で一瞬だけ3拍子のパートがあるのですが、今聴き返してみるとだいぶクラシック曲っぽいフレーズだと感じました(特にピアノ)。もちろんこの曲のように飛び道具的に使うならかなり良いと思うので、もっと意識的に広げられたら理想です。
歌詞について
上記のことから、憧れをかえがえのない記憶のまま放置しておくのはもったいないのだという感覚で作曲していたので、歌詞も「憧れを超えられないという思考ロックから解放される三人の物語」として作詞していきました。
そしてこの時期に「初音ミクENGLISH」をお迎えしたので、ミクさんが歌うパートでは積極的に英単語を入れました。サビの後の「Are you ready…」ではオートチューンもかけているので、なおさら特徴的に響かせることができた自負があります。
めちゃ余談ですが、「重箱の隅をつつく」と同じような意味合いで「暗くて見えない淀みを瓶の底から覗く」というフレーズが子供のころからずっと頭に残っていたので、再起の物語の振り出しとして歌詞に使いました。(初めてこのフレーズを見たのはネット掲示板だったはずですが、検索してもヒットしません。初出を知っているヒトがいたら教えてください)
ボーカルの調声について
この曲は投稿当日にオケが完成したので、調声作業もの着手もかなり遅れてしまいました。なので、本当に手癖だけの技術でまるごと進めていきました。
ただ今回でミクさんは当然のこと、鏡音のお二人はネギシャワーPの手癖の調声法がかなり乗りやすい傾向にあると再認識しました。ひどく感覚的ですが、大胆にピッチカーブを描いても歌声が破綻しにくいので、いたずらに人間の歌い方に近づけなくても魅力を出しやすい印象です。
そういうこともあり、フル版の制作は1時間もかからず終わりました。タイムアタックをやっているわけではありません。しかし昔から時間効率の良いテクニック(決まりきった型)を構築して調声するのが癖だったので、焦燥感が高めだとこういう歌声に寄っていく傾向があるのだと改めて思いました。『至高ロック』ではそれがかなり良い塩梅で馴染んだと思っています。
イラスト、動画について
今回、イラストはおやまだやまさんに描いていただきました!ありがとうございます!
三人の余裕のある感じの表情や、スタイリッシュで爽やかな世界観を表現していただけたので、楽曲のほうもより爽快なイメージを上げられたと感じます。この場を借りて感謝を!
動画は自分で作りました。niconicoのボカコレに同時に上げた『Versatile』MVと公開当日に並行して作業していたので、公開に間に合う方がむしろおかしいと思っていましたが、素敵なイラストを描いていただけたので、動画展開のアイデアで躓くことはなく、結局はどちらとも予定していた日時に公開できました。その流れがあって、実はこの2曲のMVは全く同じプリセットを使っているシーンがいくつかあります。
最後に
この曲を作った感想ですが、最高に楽しかったです。
今回みたいに高いBPMで曲を作ったのは人生で初めてだったので、リズムや展開の組み方にかなり反省が残りますが、逆に今しか作れなかった勢いのあるサウンドに仕上げられたとも言えます。
この曲はniconicoで開催されていたボカコレ2024冬の参加曲で、そして第3回プロセカULTIMATEにも応募しました。現状は第30回まで発表されているプロセカNEXTもそうなのですが、ULTIMATEも含めて今年でラストなんじゃないかって勝手に思い込んでいます。というか昔『泡沫未来』を応募していたときもずっと同じことを思っていました。そんな焦燥から目を逸らし、儚い灯火に向かっていくのは飛んで火に入るアレみたいですが、自分以外にも公募に参加しまくりのボカロP仲間がいるので全く悲観はしていません。むしろちょっとでも盛り上がれば上等のお祭り精神で今後も活動していきたいです。
みんなもこの曲を気に入っていただけたら嬉しいです!三人の物語はまだまだ続く!
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以上になります。
今後ともよろしくお願いします。
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