今日YouTubeに公開した新曲です。ぜひご視聴ください!
そして今回も感想文を書いたのでよかったら読んでいってください!
感想文
ボカロPのめろくるさんから、nogiさんと共同主催のコンピ「VOCAL SYNTH × K-POP Compilation:SUPERSONIC」参加のお誘いを頂いて、この楽曲を作りました。コンピのコンセプトは「K-POPをイメージしたボカロ新曲」ということだったので、まず色んなK-POPを聴いてみてサウンド的な特徴を掴むことから始めました。
サウンドについて
K-POPのサウンドについては制作時(2024年春~夏ごろ)にYouTubeランキングTOP100に上がっていた全ての曲を聴いて参考にしていました。語弊のある言い方かもしれませんが、K-POPシーンは流行り廃りのサイクルがあり得ないほど早く感じます。数か月前に公開されたばかりの曲でも、聴き返すとかなり懐かしいと思ってしまうくらいにランキングの変動が激しい印象です。
そんな激動の波で、なにか一つのアーティストや楽曲をリファレンスにしたところでそのまま溺れてしまう気がしたので、いっそのことシンプルに自分が思う最先端のサウンドだけをまとめた上で参考にしたい曲をチョイスしようと思いました。(サウンドが最先端であることが、K-POPらしさの共通点という考えです)
この曲を作った当時は、鍵盤では表せないメロディ(ラップとか掛け声)が流行っていると考えていたので、上記の流れもあって「私達がNo.1 ねえ so kawaii 二番煎じ」という歌詞とフレーズを同時に思い付きました。なので今回はこのフレーズを起点として、ここに収束させるようにサウンドの展開も作っていきました。
メロディが強めな感じがしたので、オケもビート強めのサンプルやループ音源を探してぺたぺたと繋げていきました。ほとんどはSpliceで「Brazilian Phonk」と呼ばれていたジャンルの音を使っています。楽曲全体を通して鳴っている例のリズムはブラジル由来らしいです。あとphonkでよく使われるカウベルの音のリードも基本的にずっと鳴らしているのですが、三味線の音に近いサンプルがあって面白かったのでこれを使っています。
これがデモ音源です。
基本的にサンプルを張り付けただけで、作業リソースに余裕があったので、他の打ち込み楽器(ピアノやラッパ)では今までにないくらい丁寧にオートメーションを書きました。後述しますがみんなの調声にもめっちゃ時間を使いました。
歌詞について
歌詞は私がK-POPに抱いているイメージをそのまま単語にしたり、最初に思い付いた「二番煎じ」や「アノニマス“第二号”」は他でもない自分自身のこととして考えていきました。歌い出しの「異世界舞踏会」、「未曽有の show time」は、その時コンピのメンバーが共有していたwipを聴かせてもらって、このアルバムを形容するのに相応しい言葉だと思ったので入れてみました。
そして「ナンバーワン・王者」、「傀儡」、「欺き」とかのモチーフで音感の良い言葉を当てはめて作詞しました。この曲を作った2024年、そして2023年までの時期は虚飾の表現にめっちゃハマっていたので、嘘は嘘でしかないと開き直るような姿勢を感じられます。かなり短絡的ですが創作自体も嘘がなければ面白くない・理想じゃないと思っていたので、手段と目的をはき違えて転ぶことが無いように、自戒の祈りとしてその言葉を繰り返していたのだと思いました。
あと今歌詞を見返していると、謎の造語や単語の並びがあって面白いと思いました。こういうふうに勢いで作詞するときは、サウンドの方に自信がある証拠だと思っているので、今後は意識して使えるように俯瞰で捉えていきたいです。
ボーカルの調声について
今回はK-POPのガールズグループをイメージして、ミクさんリンさんルカさんMEIKOさんの4人に楽曲を歌ってもらいました。
特にMEIKOさんとリンさんはエッジのきいた歌声を得意としている印象だったので、フックになるパートやサビのほうではそれこそ強めに歌ってもらうように調声しました。
あと、この楽曲を作っている途中にクリプトンから『ピアプロキャラクターズ・スーパーパック』がリリースされたので、MEIKOさんとルカさんはSPで歌ってもらい、それぞれV3・V4の歌声もクロスシンセシスで混ぜました。好みによると思いますが、SPはハキハキと言葉を区切って発音するように歌う印象だったので、なおさら機械的で他のボーカルと被ってしまうと思いました。差別化を容易にさせたかったので、ミクさんリンさんはV4Xのままで歌ってもらっています。
一番時間がかかったのは最初に思い付いた「私達がNo.1 ねえ so kawaii 二番煎じ」のフレーズです。やや話し言葉に近いピッチ感だったので、少しでもタイミングやピッチがズレていると途端に違和感と化し音楽的なニュアンスを大幅に損なうリスクがあると思いました。Synthesizer Vみたいにラップ機能がついているエディタ以外では調声にめっちゃ時間を持っていかれるので、これを読んでいるみんなも気を付けてスケジュールを組んで欲しいです(私はコンピの納期めっちゃ遅れました)。
イラスト、動画について
イラストはからながれさんに描いていただきました!ありがとうございます!
実は、楽曲の「王者」のモチーフから、トランプのキング・クイーンのイメージをうっすらと浮かべていたので、ミクさんリンさんの(+MEIKOさん巡音ルカさんを配置した)イラストを描いてみました。

ただ、自分が描いた衣装は重たい感じなのがイメージと離れていたので、結局はからながれさんがデザインしてくれたK-POPアイドルっぽい衣装を選択させていただきました。マジでかわいくてクールな衣装に仕上げていただけて、この場を借りて感謝の念を送りたいです!
動画は自分で作りました。アドビのAEで色々とテクスチャを使いました。自分でMVを作った中では『メリーゴーラウンド』が一番上手くいった自信があるので、今回もめっちゃ参考にしています(あとプロセカ公式の2DMV)。
最後に
この曲を作った感想ですが、最高に面白かったです。
普段なんとなく聴いていたK-POPを、作曲の対象として分析して技術をかすめ取る感覚は、昔プロセカNEXTに応募しまくっていた時期と重なったようで、妙に懐かしい気分でした。
改めて、今回のコンピに誘っていただいためろくるさんとnogiさんに感謝を!
そしてこの曲はniconicoではボカコレ2025冬の参加曲として公開できました。あと「第27回プロセカNEXT」にも応募しました。今回もテーマがフリーなので、この期間に公開するMVは全部応募しておきます。楽曲が条件内であれば動画のタグと概要欄にキーワードを書き足すだけなので最高に応募しやすいです。これを見ているボカロPもぜひ全員応募してください。
最後に宣伝です。
この楽曲を収録したアルバムを制作しました!今後の即売会にて頒布する予定なので、よかったらチェックしてください!
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以上になります。
今後ともよろしくお願いします。
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