『アンダン・スカーレット』を作った感想

日記・雑記

今日公開した曲です。ぜひご視聴ください。


そして今回も感想文を作文したので、よかったら読んでいってください。

感想文

友達が「スカーレット」という花が好きだと言うので、家で育てているその写真を見せてもらいました。私は画面越しで見たせいか、その花がひどく優しげに囁いているのを感じて、轗軻不遇とは真逆の位置に咲いているのだと思い失笑しました。ただ、不思議と悪い気分ではありませんでした。その気持ちは一期一会である気がしてならず、想いは願いを象り、「花を愛でる感覚はこうであってほしい」と、私はその瞬間を振り返りながらメロディを考え始めました。

サウンドについて

ここ数年はずっとピアノサウンドに傾倒していて、『フルール』を制作したときから「花とピアノ」の相性の良さにハマっています。


この『アンダン・スカーレット』でも例に洩れずピアノ伴奏を弾くことから始めてみました。


「花は小さくて可愛い命」と書くと私が強者を気取っているようで憚られるのですが、ただ、そういう雰囲気をピアノやドラムのリズムで、そうポップに表現することを意識しました。


kompleteに付属していた「Battery」というドラムサンプラーも最近あり得ないくらいに多用しています。EDM的な表現がやり易いのと、付属音源の使い易さがお気に入りです。この曲でもドラムは全部このサンプラーで奏でました。ありがとう。


実を言うと、昔、花を題材にして作ったボカロ曲を一つ非公開にしています。当時の私はその曲のクオリティにどうしても納得できず、恥に負けて非公開にしてしまったのです。ただ、今回『アンダン・スカーレット』を作るにあたり、ふと思い出し、その曲を聴き返してみたら案外「悪くはないんじゃないか」って思えました。今よりもずっとシンプルで、やけに儚く感じました。

なので、今回のサウンドはその曲を参考にした部分も大きいです。これを機にみんなにもその非公開曲を公開しようとも思ったのですが、やっぱり気恥ずかしいので密かに公開させてください。

歌詞について

歌詞はスカーレットの花とそれを観測するヒト、それを軸に物語を考えていきました。


当然ミクさんが歌う曲なので、花の洞察パターンもミクさんのキャラクターと併せて考えました。
ミクさんには「芽が出て、花が咲き、散る」一連の動作を終わらせることを指して「完成した」と捉えていてほしいなって思ったので、そういう意味で「未完成」の単語を含ませました。


これは随分と機械的な捉え方なので、乾いた言葉で埋まってしまう気がしました。ただ、抽象的な比喩表現をひたすら重ねてみたら、なんとか初期衝動で覚えた「花を愛でる感覚」を瓦解させずに済んだと思えたので、むしろラッキーな気分でした。

ミクさんの調声について

去年2022年からは、「語尾のピッチを下げる」歌い方をしてもらう調声方法を身に付けました。
なので、この曲でも積極的に差し込んでいきました。


これは以前から擦りまくっていたヒーカップっていう歌い方とは(x軸に関して)対称のピッチカーブを描くのですが、この歌い方の正式名称を知っているヒトがいたらぜひ教えてください。
私は「三次関数のグラフ」とか「ジェットコースターのように見える曲線」といったふうに、既存の何かに例えて名付けることで調声法を覚えていっています。ただ、この覚え方だとヒトに説明する際に齟齬が生まれるリスクが跳ね上がってしまうので、非常に取り回しが悪いのです。なのでどうか。

イラスト、動画について

今回、イラストはあら湖さん、動画は三重の人さんに制作していただきました。


この依頼に関しては両者共にひどく抽象的な要望を出してしまったのにもかかわらず、楽曲イメージに合ったイラスト、動画を制作していただけました。
私がはっきりと捉えられなかった部分を視覚的に落とし込んでいただけて超感無量です。
言葉は有り余るばかりですが、この場を借りて感謝申し上げたいです。

最後に

この曲を作った感想ですが、純粋に楽しかったです。
今回は普段の生活を切り取るカタチで楽曲テーマを決めました。花を愛でる人間の感覚を、憶測に憶測を重ねてどうにか曲にすることができました。一つの達成感というか安堵みたいな心地で、今はそれしかありません。


2年前からもはや飛蚊のように「音楽を!」ってなってしまっている毎日なので、今年もミクさんに歌ってもらう頻度がずっと高いままだと思います。ちなみに、先日1月9日にプロセカのライブを観に行ったばかりなので、共鳴する心の、その経験から溢れるテーマも近いうちに全て楽曲にしておきたい気持ちでいっぱいです。


今回はスカーレットという花の一点から広げた物語にしましたが、欺瞞でも構わないので、もう少しファンタジーに寄せた世界観でも作っていくつもりです。もちろん、この楽曲の世界バランスもマジで「良い」と思っているのでこうしてみんなに公開しているのです。この記事を読んでいるヒトにはこのことも伝えておきたいです。


―――――――
以上です。
今年初の新曲公開です。この曲を大きな起点として2023年に入場します。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
今年もよろしくお願いします。

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