今日投稿した曲です。「ボカコレ2022秋」に向けて作りました。ぜひお聴きください。
(ボカコレ終了後にYouTubeにも公開します)
そして今回も感想文を作文したので、よかったら読んでいってください。
感想文
前回のボカコレ参加曲である『フルール』が想像以上に好感触だったので、その日、「フルールを作った人間が次に作曲するなら、こういう曲調だろう」というのをメモしていました。
そして今回のボカコレ秋に参加するにあたり、そのうちの一つを具現化してみようと思い立ち、思考を巡らせました。その瞬間、目に入ってきたのは液晶モニターにペタペタくっつけてた付箋。これがその付箋です。
字がすごくて申し訳ありません。付箋には「フェイク(サビで)入れる?!」と書いてあります。
モニターに付けている付箋には、私が「死ぬまでにやりたいこと」が書かれています。なんかそのとき気分が良かった私は「今回の新曲のサビでフェイクを入れて回収してやるよ」と思ってその付箋を剥がし、そういう曲調を思い浮かべながらピアノを奏で始めました。
サウンドについて
上記の付箋に書かれている「フェイク」とは「本来のメロディとは異なるメロディを即興的に入れること」の意味として使っています。言葉で表現するのはムズイので仔細は省きますが、この曲で言うとサビ(0:54〜)の「ア〜ア」とか、ラスサビ(2:03〜)の「オーイェーイ! ララララーラーラー!」の部分がそれです。(嵐で言うとニノと大野くんがよくフェイクしています)
その「フェイク」なるものを入れるためだけに、まずサビから作っていきました。そして完成させたサビを勢いのままからながれさん(後述します)に送って、「あとはAメロとBメロさえ出来れば殆ど終わりみたいなもんじゃん」と高を括り踏ん反り返っていたのも束の間、ありえないくらいに制作が行き詰まってしまいました。
特に、サビに繋げる”流れ”そのものこそポピュラー音楽において大切であって、なんか偉い人間も「音楽はタテよりもヨコだよ」って言っていた気がします。つまり、サビにだけチカラを入れても決して納得できる仕上がりにはならないというわけです。別にAメロBメロを軽視しているつもりはなかったのですが、心のどこかでナメていた部分が顕在化し、泥沼から抜け出せなくなってしまっていたのだと思いました。
そういうわけで、まぶたに浮かぶ淡い言葉を頼りにヨコの流れに神経を注ぎ、サビへと続くAメロBメロを考えることにしました。
余談ですが、アウトロのピアノソロはちょっとした思いつきで追加したオマケです。ちゃんと最後までこの曲を聴いてくれたヒトへの感謝の意味を込めて弾いてみました。
歌詞について
歌詞は『フルール』を参考にしようと決めていました。
この曲のテーマである「恋愛、秘密」をなぞるように、今回の『グラビティ』でも作詞していきました。
あと、「フェイクを入れるぞ」っていう気持ちが溢れてやまず、「偽り」や「欺瞞」とかの単語が言語中枢の回路にくっついてしまったので、もう半ばヤケになりながら歌詞に入れまくりました。
ミクさんの調声について
ここ最近はマジで色んなボカロ曲を参考に、しっかり時間をかけてミクさんの調声をするようになりました。当然、この曲でも。
前までのスタイルは「めっちゃスピード重視」で、数時間以内で仕上がるように調声していました。ただ、この方法だと新しい調声法を試しにくくなる上に、手癖だらけになり他の楽曲とのメリハリもなくなってしまうので、あまり楽しく作業できていませんでした。
その点を反省して、今回はクリエイターズマーケットでボカロPの人々から頂いたCDアルバムを聴き込み、それを参考にしてミクさんの調声を考えていきました。
それと、この楽曲では掛け声的なラップっぽい(じゃなく真似し難い様なHIPなPOPを意識した)フレーズも入れたので、なおさら調声に時間がかかりましたが最高に面白かったです。今後もこういうフレーズを積極的にミクさんに歌わせてみたいと思いました。
イラスト、動画について
今回、イラストはからながれさんに描いていただきました。前回のボカコレ参加曲『フルール』に続き、この『グラビティ』でも依頼を快諾いただき嬉しかったです。この場を借りて感謝申し上げます。
今回もからながれさんにお任せで描いていただいたのですが、マジで楽曲イメージにぴったりな世界観で、完成イラストを見たとき、めっちゃお洒落な雰囲気に当てられて私は椅子から転げ落ちました。特にミクさんの表情や店内の雰囲気、窓から見える夜景が最高です。マジで感謝します。
動画は今回も自分で作りました。ただ、今年の初めからずっと「イラストだけでなく動画制作も誰かに依頼したい」と言い続けていた果ての今なので、綴る言葉なんざ一つもありません。
それでも毎回なんとかボカロ曲動画としてカタチに出来ているのは、「そういうものだから何も言わずに進んでいけ」という手綱を全身に括り付けているからです。
もちろん、イラストを描いてくれる方々、いつも応援してくれる人々がいるからというのが一番の理由です(めっちゃ精神論ですみません)。
最後に
この曲を作った感想ですが、最高に楽しかったです。
「『フルール』を意識しよう」って気持ちからスタートさせたのですが、最終的には『泡沫未来』や『アンデッド・パラダイス!』に近い雰囲気になりました。
こういう曲調を作るのは本当に楽しいです。全体的にピアノを背景に敷いたサウンドは超得意ジャンルなので、今後も擦っていきます。どうか付いて来てください。
ミクさんの調声に関しても、最近は新しい事にどんどん取り組めているのでマジで面白いです。この調子で続けていけば、もっと面白い表現に挑戦できる気がしてなりません。
あと、ニコニコ大百科に書かれていて気付いたのですが、ネギシャワーPはボカコレ皆勤賞だそうです。
最初の頃は、この投稿祭の「非日常感・お祭りっぽさ」に魅せられて参加し続けていました。ただ、最近は「行きつけの店に通う」ような感覚になってきました。それでも、不易流行の心を忘れることのないよう、これからは参加する企画も増やしていきたいと思いました。知り合いのボカロPの中ではremix企画にも参加している方が割といて、私もいつかremixをやってみたいです。実は、人生で一度も既存曲をremixしたことがなかったので、このあと付箋にメモしてモニターに貼っておきます。
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以上です。
この記事を書いている現実世界では今、冬の香りを纏うほどに極寒なので(秋なんて無かった)、みんなも体調だけには気をつけてください。
今後ともよろしくお願いします。
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