お絵かき野郎の怨嗟作文

日記・雑記

思い出してしまった。いや、薄々勘付いていたことなのだけれど、心の淵にあったその影はあまりにも黒すぎて、現実のものだとは到底思えず、結局今の今まで蔑ろにしてしまっていた。そしてある日、見て見ぬ振りを繰り返してきた私を嘲るように、遂にその黒い影は耳打ちする。

「絵を描くのって面倒くせぇ…」

何度も口を衝いては捨ててきた言葉が、頭の中で反芻し始め、ひいては忘却の彼方に置いてきた黒い感情を再び思い出すに至ってしまった。

こんな気持ちについて、要領を得た見解なんて一つもないです。実際はもっと低次元で稚拙な感情であり、ただ「苦手な教科の宿題をやりたくない」という気持ちと殆ど同じだと思っています。それでも宿題をやることと絵を描くことには圧倒的な違いがあって、それは「一緒に手を取り合い立ち向かえる仲間がいるかいないか」であると考えています。もちろん、絵を描くのが趣味なヒトというのは周りを見渡せば沢山いるのだけれど、その誰もが「絵を描くことを楽しむことが出来る」という、ある種究極の才能を当然のように持ち合わせています。そういった点で、彼らと私たちのような一般人とは根本的に価値観が違っています。だから仮に彼らと共に肩を並べたとしても、畏敬の念が募るばかりで仲間意識は芽生えず、寧ろそんな中でネガティブな姿勢で絵を描いている自分が嫌になり、消えたくなります。よってお絵かきは私にとってはずっと孤独で、自身の内面や素質が嫌でも表面化するもので、私は誰にも相談できず「面倒くせぇ…苦しい…」というふうに、延々と怨嗟を垂れる機械と化してしまうのです。

一方で、絵に限らず、創作というのは孤独であるべきというのが今の時代の通念であり、それについては私も概ね同意していて、現に作曲に関しては「孤独の方が絶対に良い」と言えるほど没頭できているのが事実ではあります。しかし、だからと言って「作曲に夢中になれるなら、同じ創作でもあるお絵かきも夢中になれるだろう」というのは大きな間違いです。生憎私たちは、そんな杓子定規がまかり通るほど都合の良い世界には生きておらず、一長一短の複雑なグラデーションを抱えているのが人間である、という烙印は死ぬまで消すことが出来ません。「作曲は楽しいけどお絵かきは楽しくない」、そんなアンビバレンスとも取れるような精神で心が乖離していまいそうで、私は発狂寸前です。ああ、私はどうしてお絵かきを楽しめないんだろう!

「絵を描くことに時間や労力をかけるくらいなら、作曲にそれらを費やした方が圧倒的に良いに決まっている。俺は楽曲のクオリティを上げることに注力するだけだ」、こんな斜に構えた考えを持っているヒトだから、お絵かきを楽しめないのでしょうか。しかしこんな粗末な考えを誇示してリスナーに阿るような態度を取ることは、逆に彼らに対して、更には自分自身に対しても不誠実だと思っているので、私は常日頃からこれをタンスの奥底にしまっているつもりなのです。

そうなるといよいよ自分がわからなくなってきました。ただ一つ幸いなことに、この怨嗟の気持ちが自分以外に向くことがないのは、私の地球人としての自尊心がギリギリ保てている証拠であるので、なんとか前を向くことができます。

いや、待てよ….。そもそも、よくよく思い返してみたら、作曲の方も、最初の3年間は別に心から楽しんでやっていたわけではないことに気がつきました。当時はマジで無心で、生きているのか死んでいるのかよくわからない状態で活動していて、ボカロP、作曲するヒトであるネギシャワーPとしての自我が芽生え始めたのは去年あたりからです。それに対して、お絵かきを意識的に始めたのは、頭がいたずらに成長して、つまらない虚栄心が生まれた後のことだったからなので、こんなにも負の感情を募らせてしまったのかもしれません。そうだとすれば、「絵を描くのが面倒くせぇ…」という気持ちに対抗するべく、私は「なんのために絵を描いているのか」を今一度確かめる必要があると思います。ああ、きっとそうだ!もう無心のままではいられません!「考えること」が鎖となり自縛してしまうなら、それを解く鍵も「考えること」なんじゃないかな!

以上です。怨嗟に塗れていたり、雑多な書き方をしてすみません。「絵を描くのが面倒だし、楽しくない」というのが最近のちょっとした悩みだったので、今回は私がお絵かきに対して思う率直な感想を全部書き出してみました。そしたら書いているうちにめちゃくちゃ晴れやかな気持ちになり、「まずは前向きに考えてみること」を一つの答えとして導き、その一環で「絵に関して何か目標を持つ」ということを心に決めました。そういうわけで、この話はここで終わり、そして新たに始まります。いつもありがとうございます。

今日ほどブログをやっていて良かったと思う日はありません。やはり文章を書くと自身の潜在的な虚飾がしっかりと浮き彫りになるので、自分を客観視したいときにはピッタリです。また今度、こういうことがあったら作文するかもしれません。暇なときにでも読んでいただけたら幸いです。

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