こんにちは、ネギシャワーPです。
マジカルミライ2025楽曲コンテスト グランプリ楽曲『ストリートライト』MVを公開しました!ぜひお聴きください。
そして今回も感想文も書いてみたので、よかったら読んでいってください。
(受賞発表時の感想文も公開しています!こちらも読んでみてください)
感想文
今年のマジミラ楽曲コンテストでは「2人以上歌唱」の楽曲も応募対象となったのを見たとき、その時点で私はピアプロキャラクターズ全員をお迎え済みだったので、全員で歌う賑やかな楽曲を作りたいと思いながら日々を過ごしていました。ただ、2025年に入ってからはひたすらに怠惰な日々を過ごしてしまい、楽曲コンテスト締め切り前日の夜になってようやく焦り始め、この楽曲を作り始めた次第です。
サウンドについて
前回の記事では“14時間ほどで『ストリートライト』を完成させた”と書きましたが、物は言いようで、単に作曲着手~音源完成までが14時間で済んだだけで、それより前の去年12月に応募規約が発表された時点で楽曲アイデアはいくつかメモにストックしていました。今年の応募ルールの「2人以上歌唱OK」という前例のない規定に対しては、個人的には「新時代の幕開け」をめっちゃ想起していて、今までのマジミラグランプリ楽曲の採用の流れで傾向と対策を練っていても上手くいかず取り残される気がしたので、いっそのこと自分(ネギシャワーP)が作曲において得意としていることと好きなことを組み合わせたサウンドを押し通すつもりでアイデアを固めていきました。
今回の楽曲でリファレンスにしたのは主に『泡沫未来』、『メリーゴーラウンド』、『未完のストーリー』、『インビテーション!』、『ワイプ・アウターズ』の5曲です(全て最高の楽曲なのでぜひご視聴ください)。これに関しては前の記事で書いたことは省きますが、『ストリートライト』のBPMが117なのは『メリーゴーラウンド』をめっちゃ意識していたからだと思います(メリーゴーラウンドはBPM116)。フィルもこの曲で使ったサンプルを転用している部分が多いので、今回の作曲ではクオリティの面でライバル視していたのだと言えます。
メロディについては手癖のみで一思いに作れたので、オケの楽器は上記の楽曲の構成から少しずつ摘まんでアレンジしていきました。サウンド構成は、特にサビのラッパ+ストリングス+ピアノ+エレキギターの組み合わせは『インビテーション!』に近いと感じています。
アレンジ制作に着手した時点で深夜に突入して眠気との戦いが始まっていたので、そういう点でも今回の作曲では新しいアプローチを試す余裕は皆無でしたが、今までボカロPとして積み上げてきたものを上手く使えたのはかなりラッキーだと思いました。あと、ここまで制作が進んだときにはもう深夜テンションの極みで「この曲は絶対にグランプリを獲れる」と思っていたので、ライブで演奏されるときにどう聴こえるのかを意識して、フィルインやFXなどの細部も含めて詰めていきました。
実を言うと、イントロのピアノのトリルはオケ制作の終盤でようやく思い付いたフレーズです。「新たな時代の始まり」が『ストリートライト』のイメージのひとつだったので、トニック(主音)から階段状に駆け上がるメロディを響かせる構成にしました。楽曲のキー自体は、ピアノ演奏においては最も基礎的なキーであるハ長調(Cメジャー)なので、私個人の感覚としても「始まり」のイメージで一致していますし、楽曲の最後に鳴る和音がドミナントなのも、マジで受け手からしたら野暮でしかないので説明は全て省略しますが、そういう表現を意図したかったのだと思います。サウンドの面で工夫した点においては特にここが印象的です。
歌詞について
当初、歌詞についてはおおよそ当たり障りのない事しか書いていませんでした。ただ、作詞中は「いつもどおりでは受賞されることはない」と得も言われぬ焦燥感に包まれていたので、寝惚け眼をこすりながらフックとなるキーワードや楽曲タイトルを探しました。その中でリファレンスにしていた『泡沫未来』の歌い出し「街灯見渡す 心は零れて」から「ストリートライト(街灯)」というタイトルに決め、そこから連想される単語(都市、灯す、輝く、Twilightなど)をラフ版の歌詞に合わせて修正しました。例えばサビの「灯した歌は」は、タイトルを思いつく前のラフ版では「繋いだ歌は」という歌詞でした。
そして今回はシンガー6人の歌割りに合わせてソロパートの歌詞も細かい変更を繰り返していた記憶があります。前の記事でも修正点をいくつか紹介しましたが、今回は思い出せる限り修正箇所をまとめようと思います。
・「繋いだ歌は」→「灯した歌は」
・「もう、一人じゃないから」→「そう、一人じゃないから」
・「揺れる、震える、…」→「踊る、震える、…」
・「間違いを繰り返しても」→「どれほど間違っても」
・「これからはノンストップ」→「ここからはノンストップ」
・「消えない一番星 紡いでいたい」→「消えない星を繋いでいたい」
いま見返してみると、手癖で歌詞を書いた部分はいたずらに言い回しが堅苦しいです。修正後の歌詞のほうが個人的には好みなので、この調子で今後も完成度を高めていきます。
調声について
今回、調声フェーズに入る頃には明け方近くだったので、マジで手癖以外では制作していません(あまり記憶にもありません)。
デフォルトのパラメータ設定は前回の記事で6人全員分をまとめたのでよかったらチェックしてみてください。
この楽曲の調声では「全員で歌うパートはニュアンスをバラつかせない」ことをめっちゃ意識していたのだと思います。調声データを後から見返していたとき、全員歌唱のパートではオートメーションが一致するノートがかなり目立っていました。逆に、ソロ・デュエットパートではそれぞれの歌声に合わせてビブラートを利かせたり、しゃくりあげで歌ってもらっている部分が多かったです。こういったメリハリで、合唱&ソロパートの質感のバランスを調整できていたのは最高に良いと思いました。今後も取り入れていきたいです。
調声に関しては非常に短絡的な結果論でしかありませんが、手癖だけで作ったからこそ安定したクオリティでまとめられたと感じています。
イラスト、動画について
今回、MVイラストはからながれさんに描いていただきました!
以前ネギシャワーPが初めて作った6人曲『ワイプ・アウターズ』で頂いた別のイラストラフ案を『ストリートライト』のビジュアル面のイメージとして持っていたことに加え、3年前のマジミラ準GP曲『未完のストーリー』で素敵なイラストを頂けたこともあったので、どうしてもからながれさんに描いていただきたいと考えていました。今回も制作をご快諾いただきマジで感謝です!
動画は自分で作りました。同じく6人曲の『ワイプ・アウターズ』MVとモーションや構図の違いがあったほうがいいと思い、MV制作で手ごたえを感じていた『メリーゴーラウンド』の動画を参考にしながら歌詞入れを進めていきました。AdobeのAEは最近ようやく使い方を覚えてきたので、ここからはもっと新しい動画アイデアを考えていける自信があります。『ストリートライト』MVではテキストに奥行きを付けたりレンズブラーをめっちゃ多用してみました。本当にこのMVが今のネギシャワーPの限界値だと感じているので、もし今後自分でMVを制作する際はこれを起点としてアイデアを詰めていきます。
最後に
この曲を作った感想ですが、ちゃんと完成させられてマジでホッとしています。制作中はずっと深夜テンションで、めっちゃ楽しくて異常に泣いたり笑ったりしていたのですが、この記事を書いている今でも「最高の楽曲を作れた」と胸を張って言えます。
コンテスト締切前日の夜から作り始めたときは、まさか徹夜するほど時間がかかるとは思っていませんでした(昔『sing along』という楽曲を4時間で完成させられたことがあるので)。今回の楽曲は6人分の調声・歌割り制作のリソースが必要だったので、どう足掻いても徹夜するしかありませんでした。それでも、どれほど眠くて頭が回らなくても、「ここで諦めたら一生後悔する」という直感のほうがずっと強かったので、そういう使命感もモチベにして今回の楽曲を作ることができました。当然、その直感は間違いではなかったとしか言いようがありません。
今はひたすらに感謝の気持ちばかりです。改めて、楽曲を聴いてくれたリスナーの人々、これから楽曲を聴いてくれる人々、クリプトンの方々、今まで関わっていただいたクリエイターの人たち、MVイラストを描いていただいたからながれさん、そしてピアプロキャラクターズ全員に感謝の念を送りたいです!!!!!!
マジカルミライ2025 公式アルバムにも本楽曲が収録されるのでぜひチェックしてください!

今後の予定としては、この『ストリートライト』を収録した新譜を今年中にリリースしたいと考えています。今年のマジカルミライでは『ストリートライト』も演奏されるので、個人的にも最高に楽しみです。
毎年言っている気がしますが、2025年はボカロPとして最高の一年になると確信しています。ボカロ系のコンテストの中でもトップレベルの賞を頂いた自覚があるので、ここからはノンストップで活動を彩っていく未知の第二章が始まります。
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以上です。マジミラフォーエバー!!!
今後ともよろしくお願いします!
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